JINS JINS PARK

気候変動への配慮

方針

気候変動への対応方針

JINSは、日本のアイウエア業界を牽引するリーディングカンパニーとして、パリ協定や日本政府が掲げる2050年までに脱炭素社会の実現を目指す方針に賛同し、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量削減を推進していきます。
気候変動への対応として、リスクと事業機会の両面から積極的に取り組み、社会やステークホルダーから信頼される企業となるために、課題解決に貢献し新たな価値を生み出していきます。また、直接的な温室効果ガス排出(Scope1,2)への対応はもちろんのこと、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出(Scope3)についても順次対応を進めており、2030年目標を確実に達成すべく取り組みを進めています。

2030中期目標と進捗

温室効果ガス(CO2)排出量削減

JINSは、2050年の実質的カーボンニュートラル達成に向けて、2030年までに「温室効果ガス30%削減」(Scope1,2 / 2020年比)を掲げています。さらに2021年から、Scope3の排出量を算出し公開いたしました。2023年には、パリ協定が掲げる「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」という長期目標に賛同し、2030年までのScope1.2の排出量削減目標を-30%から-42%(2020年比)へ上方修正し、Scope3の排出量削減目標も新たに-25%(2022年比)と定め、排出量削減のロードマップを策定しました。さらに、2050年までには、排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラルを目指し、施策も充実させてまいります。

国内店舗の再生可能エネルギーへの切替

JINSは、2050年の実質的カーボンニュートラル達成に向けて、2030年までに「温室効果ガス42%削減」(Scope1,2 / 2020年比)を掲げています。
この目標達成に向けた具体的な対策として、国内各店舗における電力源の再生可能エネルギーへの切替を推進するとともに、店舗での使用電力削減や物流最適化など、エネルギーの効率的な活用を総合的に進めていきます。

目標達成に向けた取り組み

電力の再生可能エネルギー化によるCO2削減

JINSは、運営する店舗のうち、自社で電力会社と直接契約しているロードサイド店舗等の電力を、電力会社からの再生可能エネルギー電力の購入、および太陽光発電設備設置等の方法で、早期に100%再生可能エネルギー化することを目標にしています。またそれ以外の店舗については、施設運営会社と協力しながら再生可能エネルギー化を進めることで、将来的には全店舗電力の再生可能エネルギー化を目指しています。

PPAによるロードサイド店舗への太陽光発電設備の導入

※JINS鹿屋店

2023年4月には、太陽光発電設備にかかる初期投資費用および維持管理のメンテナンスのコストを負担することなく、追加性のある再生可能エネルギー電力の供給を受けることが出来るPPA契約により、ロードサイド15店舗に太陽光発電設備の導入をしました。本太陽光発電設備により、56.85t-CO2/年のCO2削減(杉の木約4030本分の吸収量に相当)が見込まれます※。今後も、Scope1, 2削減施策の一環として、ロードサイド店舗への太陽光発電設備の導入を進めます。
※PPA契約締結先である、株式会社TGパワー(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:重村庸介)調べ

循環型アイウエア商品の製造

2050年に向けて取り組んでいく循環型アイウエアの第1弾として、2021年5月、サングラスブランド「JINS&SUN」から、生分解度の高いバイオプラスチック素材を使用した、クラシカルで高感度なデザインフレームの新シリーズを発売しました。
本商品では植物を主原料とした、通常のプラスチック素材よりも微生物による生分解度が高いバイオプラスチック「M49」を使用。この素材は、高品質で美しい素材の生産で世界中にファンを持つ、イタリアの老舗アイウエア生地メーカー「マツケリ社」が開発した素材で、環境に優しいだけでなく、美しい光沢と透明感、心地よい手触りと滑らかな表面など美観性を兼ね備えた高品質素材です。
こうした環境配慮に品質も両立させながら、幅広い世代のお客様が手に取りやすい価格を設定。お客様に長くご愛用いただけるように、メンテナンスを行いながら長く使える特殊構造と、流行に左右されず飽きのこないクラシカルなデザインを採用しました。

「JINS Design Project」第6弾として、ミラノを拠点に世界で活躍するデザイナー Patricia Urquiola(パトリシア・ウルキオラ)氏と協業したメガネ「HILO JINS×Patricia Urquiola」は、「糸」を意味する「HILO」をコンセプトに、サステナブルであることにこだわった製品として開発しました。素材には、1年以上にわたる実用化検証を経て、非可食の作物であるヒマ(トウゴマ)種子から得られるひまし油を含んだアルケマ社の「Rilsan® Clear G850 Rnew®」を採用。サステナブル製品の課題でもある、美観と強度のトレードオフをせず、パトリシア氏らしい発色の美しさを実現しながらも、耐久性・柔軟性を兼ね備えたコレクションです。

店舗照明のLED化によるCO2削減

JINSは、環境に配慮した店舗作りとCO2の排出量削減を目指し、国内の全ての店舗照明をLED照明に切り替えました。LED照明は、一般的な照明よりも製品寿命が長く、また消費エネルギーが低いため、環境負荷の低い照明として積極活用しています。

環境に配慮した店舗の整備

環境配慮や地域との新たな関係構築といったサステナビリティ推進の先駆けとなることを目指して「JINS前橋小島田店」を2022年1月にオープン。店舗の屋根にはJINS店舗としては初めて太陽光パネルを設置。店舗で使用する電力の約70%を太陽光発電で供給できると想定しており、温室効果ガス排出削減に取り組みます。

スマートシティ構想をはじめ独自のまちづくりが進む福島県会津若松市には、環境配慮や地域との共生を実現するロードサイド型店舗として「JINS会津若松店」を2022年4月にオープンしました。店舗の外壁などは断熱効果を高め、窓に特殊なコーティングを施した複層ガラスを採用。また、高効率の空調機と換気設備を導入。さらに屋根には太陽光パネルを設置しました。これらにより省エネルギー性能を高めた結果、第三者機関が建物の省エネルギー性能を評価する「BELS評価」において、建物のエネルギー消費量を39%削減できることが認められ、アイウエア業界の路面店舗では初めて※最高ランクとなる5つ星を獲得しました。
※当社調べ

環境に配慮した店舗什器の採用

JINSの一部店舗では、什器類への国産木材の積極活用により、カーボンフットプリント低減、地域貢献などを進めています。なんばパークス店(使用用途が少ない小径木を什器に使用)、ゆめタウン佐賀(県のヒノキ材使用)などの例があります。

2022年9月にオープンした富士入山瀬店では、循環型繊維リサイクルボード「PANECO®」を什器に採用しました。全国のJINSで役目を終え、廃棄予定になっていた約46台の商品棚の木材や衣料品などが原料となり、富士入山瀬店の商品棚6台と接客カウンターの一部として新たに生まれ変わりました。
今後も新規店舗の建設出店の際には、より積極的に環境配慮型の什器・建材などを活用していく予定です。

自由な服装によるエネルギー削減

本部社員は、特に服装に関する指定はなく、外気温に合わせた服装での業務が可能となっています。JINSは、環境省が推奨する、暑い時期の衣服軽装化である「クールビズ」や、冬の暖房に頼らない衣服の最適化「ウォームビズ」を積極的に取り入れ、冷暖房の省エネルギーに努めています。また服装の自由化を通じ、より個性を大切にしたクリエイティブな職場づくりを目指しています。

物流拠点の分散化による燃料削減

JINSでは2021年9月より、事業拡大に伴うBCP対策や温室効果ガス排出削減を目的に、新たな物流拠点として大阪倉庫の稼働を開始しました。物流拠点を関東と関西の2か所にすることで、自然災害等へのリスクマネジメントとして機能するほか、倉庫から店舗への商品配送距離・時間を大幅に短縮。これにより、1拠点のみでの流通体制と比較し年間約20%のCO2排出量削減を見込んでいます。

流通体制の改善によるCO2削減

JINSは2022年4月に国内2か所の物流拠点から全国のJINS店舗への商品流通体制を改善。店舗の売上規模ごとに商品出荷頻度と出荷量を見直し、店舗で欠品を起こさずに全体の出荷回数を削減できるよう最適化しました。これにより商品出荷回数が約35%減となり、2019年比で約15%の二酸化炭素排出量削減が見込まれます。