JINS JINS PARK

CEOメッセージ

満足しない限り、
景色は変えられる。

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、私たちの事業にも大きな影響を与えました。しかし、私たちはむしろこれを好機と捉え、JINSのビジネスモデルや企業体質に変化の波を起こしたい。そう、考えています。

まず、有事の際にも滞りなくサービスを提供するための「BCP(事業継続計画)」の策定とそれに対応するバリューチェーンを再構築し、体制を整えること。次に、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」をさらに推し進め、より快適なお買い物体験を生み出すこと。そして、異業種からの参入も含めての他を圧倒するような、新しいビジネスモデルを早急に確立すること。最後に、サスティナビリティビジョンを指針に、事業活動を通して社会の課題解決を進めていくこと。これらをすべて叶えていくためには、ここで働く一人ひとりの自立した意志が重要となりますし、大きな意識変革が求められます。

JINSが福岡天神に1号店を出してから、20年以上が経ちますが、私たちはますます新鮮で、驚きを有した存在でありたいと考えています。変化を恐れず、縮こまらず、決して挑戦をやめないこと。個々が能動的になり、縦横無尽につながり合う組織へと脱皮すること。「Magnify Life(マグニファイ・ライフ)」というビジョンが、この世界にもっと広がっていくために。これからのJINSに、ますますご期待ください。

代表取締役CEO 田中 仁

今、僕が思うこと

店舗商売の原則

2024年10月22日

先日、ある若手の飲食店経営者から相談を受け、自分なりに回答したことで改めて思い起こしたことがあります。

それは、業種は違っても、店舗商売にはやはり原理原則があるのだなということです。そして、現在の状況に合わせてさらにそれをアップデートしていく必要があるということです。

覚悟をもって1店舗目を出店し、必死に日々の営業をやることで軌道に乗り、多店舗展開への意欲が出てきます。そして創業者が複数店舗の店長を兼ねて獅子奮迅の活躍をし、いくつかの現場を切り盛りすると、注目されていろいろな話が入ってくることがあります。そうして3店舗目、4店舗目を出します。よくある話です。

まず、注意すべきことの一つは、ある業態でうまくいったことから、少し違う業態でもうまくいくのではないかと考えることです。実際にそこそこの利益が出る店はできるかもしれません。しかし多くの場合、それは錯覚です。商売はそれほど甘くはありません。ある程度のところで壁に当たります。何の壁に当たるか。売上が早々に伸び悩む、売上は上がっても利益が出ない、店のクオリティが店舗によってばらついてくる、人が辞めて店が回らなくなる…いくつかの典型的な症状があります。それもそのはずです。そこに原理原則がないからです。ひとつの店舗、ひとつの業態を執念深く、粘り強く磨いてきたことで得られた「型」がないからです。

店舗商売をやっていれば、店を増やしたいという欲求は必ず出ます。それ自体は健全なことです。ですが、店を増やすことだけが目的化すると危険です。本来は、今やっている業態、今ある店を磨き込み、お客様を増やせないか、売上を倍にできないか、利益を倍にできないか、という努力や工夫をすべきなのです。そこからにじみ出てくる「型」や「機会」を見つけるまで。それをせずに、出店によって短期的に売上が上がることに味をしめると、後でしっぺ返しを食らいます。

しかも、これからの採用難の時代においてはますます注意が必要です。
やみくもに勢いだけで店舗数を増やしても、人を継続的に採用できない可能性があります。人口減の社会において、労働人口が減り、採用が厳しくなると、限られた人的資源を適切に活かすための戦略と、限られた人数で店舗を回せるだけの磨き抜かれたオペレーションが必要です。そして、一緒に働く人を手厚く処遇するだけの十分な利益が不可欠なのです。これらは、店舗増による売上の追求だけでは決して得られないものです。

若手経営者との対話の中で、私が歩んできた道のりを思い出しつつ、今まさにJINSが取り組んでいるテーマにも通じるものを感じていました。JINSが国内外の店舗で実装しようとしている仕組のいくつかは、採用難を見越し、少ない人数で最大の顧客満足を獲得し、かつ、新しい顧客体験を提供するためのものです。

いずれにしても私は、商売は執念から生まれる「アイデア」「知恵」「根気」と「周りの巻き込み力」だと思っています。それを、次世代を担う若き経営者に伝えました。同時に、私たちもお客様をお迎えする店舗商売であることを忘れることなく、原理原則を大切にしたうえで、最新の時代の変化を取り込みながら前に進んで行きたいという思いを新たにしました。

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