JINS JINS PARK

2024.11.13

ジンズのたねまき

“見る”たのしさを体感する「ミルイクアートまつり vol.1」。 アーティストの力を借りて、地域のみんなでひらきました!

JINSの生まれた群馬県前橋市で、人と人とをつなぐ地域コミュニティのハブになろう。そう志して建てられた JINS PARK。ここでは、アイウエアブランド「JINS」とベーカリーカフェ「エブリパン」の営業と併せて、定期的に地域の交流イベントを開催しています。

取り組みがスタートした当初は、JINSの地域共生事業部スタッフが中心となってイベントを運営していましたが、いまでは地域のみなさんが主催するイベントも増加。ほぼ毎週末、催しが開かれています。

そんななか、9月29日(日)に「ミルイクアートまつり vol.1」を開催しました。アートを通して、子どもたちに“見る”たのしさを体感してもらう本イベント。企画に至るまでの経緯や、開催当日の様子について、担当の地域共生事業部 秋本に話を訊きました。

人気のアートワークショップを拡大

本イベント企画の発端は、地域共生事業部がJINS PARKで年4回実施してきた「子ども向けアートワークショップ」の人気の高まりでした。

アートワークショップを手掛けるようになった経緯について、秋本は次のように話します。

秋本「わたしたち地域共生事業部には『地域課題に向き合い、地域とともに成長する』というミッションがあるんです。街をもっと盛り上げるためにはどうすればいいか、その施策をつねに考えています。
そこで考え出した案のひとつが、地域の将来を担う子どもたちにアートをたのしむ場を提供することでした」

JINSのブランドビジョン『Magnify Life(人びとの人生を拡大し、豊かにする)』を実現するため、『いつもと世界がちがって見える』体験を子どもたちに届けよう。アートに触れる機会はきっと、子どもたちが自由な発想力や多角的な視点を身に付けるきっかけになる。

そう考えた秋本は、さまざまなワークショップを企画。どれも好評を博しました。

秋本「ワークショップはすべて参加予約制で運営していて、ありがたいことに毎回ほぼ満席でした。すると、保護者の方々から『参加できる人数をもっと増やしてほしい』との声が届くようになったんです。
部内メンバーにも背中を押してもらって、ワークショップの規模を思い切って拡大することにしました」

JINSがかねてより取り組んできた、見ることのたのしさに気づいてもらうための活動「見る育」にちなみ、イベントを「ミルイクアートまつり」と命名。

「せっかく足を運んでもらうのだから、長時間たのしめる場をつくろう」と考え準備したのは、5つのワークショップでした。

アーティスト・いくらまりえさんとの出会い

なかでも目玉となるのが、空間全体をつかったダイナミックな作風で知られるアーティスト、いくらまりえさんによるワークショップ「のぞいてのぞいて」です。

段ボールとプラスチック板でできたメガネ型ボードのレンズ部分に、子どもたちが『見たい景色』を描くというもの。メガネ型ボードは、 いくらさんの絵のなかに貼り付けて、アート作品の一部になります。

いくらさんの本イベント参加は、秋本が直々に依頼して実現したのだそう。

秋本「今年の2月、群馬県庁舎を舞台にした展覧会を訪ねた際、いくらさんの作品をはじめて拝見したんです。エネルギッシュな作品にグッと惹き込まれました。
しばらく経って本イベントの実施が決まったとき、まっさきにいくらさんの絵が頭に浮かびました。JINS PARKのおおきな窓ガラスをキャンバスにして、いくらさんに絵を描いてもらえたら素敵だろうな。ワークショップも開催できたら、さらにたのしいだろうな、と。
すぐさま県庁に問い合わせるなどしていくらさんの連絡先を調べました。そして突撃アポを決行したんです(笑)。いくらさんはこころよく承諾してくださいました」

なんと過去には、サンフランシスコのJINS店舗でも絵を描いてくださった経験があるといういくらさん。秋本は思いがけない出来事にご縁を感じつつ、準備をすすめていきました。

開催日の2日前。いくらさんは現地入りして作品制作に取り掛かってくださいました。

アーティスト・いくらまりえさん

口笛を吹きながら、とっても気持ちよさそうに手を動かすいくらさん。

制作がすすむにつれて立ち現れてきたのは、「メガネ」をモチーフにした大迫力のオニヤンマです!

生命力あふれる作品に、JINS PARKに来店されたお客さまは、みな目が釘付けでした。

雨にも負けず、イベント開催!

そうして迎えた開催当日。会場は準備万端。あとは開場時間を待つだけ……と思いきや。なんと朝から大雨が! 開催が危ぶまれる事態にヒヤヒヤのスタッフたちでしたが、開始前には晴れ間がのぞき、ホッと胸をなでおろしました。

イレギュラーに見舞われながらも、ぶじスタートした「ミルイクアートまつり」。直前の雨なんてなんのその! フタを開ければたいへんな盛況ぶりでした。

60台分の駐車場がいっぱいになるほどの来場者。会場のあちこちで湧きおこる子どもたちのはしゃぐ声……。

秋本「来てくださったお客さまの数はもちろん、滞在時間の長さにも驚きました。ほとんどの方が5つのワークショップすべてを回ってくださったんです。『JINS PARKで長時間たのしんでいただけたら』と願うわたしたちの思いが届いたようでうれしかったですね」

いくらまりえさんの「のぞいて のぞいて」では、無我夢中で絵を描く子どもたちの様子が見られました。

なかには1時間半のプログラムが終了したあとも、お絵描きに熱中しつづける子も。

完成したメガネには、それぞれ素敵な景色が描き込まれています。自分の手でつくりあげた世界をのぞいて「ハイ、チーズ!」

大量の木片で自由にあそぶ「TsuMi TsuMi picnic」も大人気でした。木工所で廃材となった木片を活用しているので、ひとつひとつの形状はバラバラです。子どもたちは、そのなかからお気に入りのかたちを探したり、高く高く積み上げたり。

おおきな要塞を完成させた兄弟もいました!

柔軟な発想でさまざまな遊びを思いつく子どもたち。おおきい段ボール箱5個分の木片を準備しましたが、それでも足りなくなるぐらいの活況ぶりでした。

そのほか、スタンプでお面をつくるコーナー、オリジナル指人形をつくるコーナー、練り消しでちいさな生き物をつくるコーナーも大賑わい。

子どもたちに混ざって真剣な表情で手を動かす大人の姿も、あちこちで見られました。

自分の指に直接顔を描いたオリジナルの指人形

イベントの成功は、地域の協力があったから

子どもから大人まで、参加者全員が創作に没頭した「ミルイクアートまつり vol.1」。だれもがたのしめる場を運営できたのは、地域のみなさんのサポートがあったからだと秋本は言います。

秋本「イベント全体の企画は、前橋市にあるデザイン事務所『寺澤事務所・工房』さんに。運営は、地元の大学に通う学生のボランティアスタッフに支えていただきました。どの方々もみな、地域共生事業部の活動や、JINS PARKのイベントをきっかけにつながった人たちです。
JINS PARKでつながった人のなかには、地域活動で困ったことがあると、地域共生事業部に相談しに来てくれる方もいるんですよ。一度の出会いで終わるのではなく、何度も交流を重ねて、こうやって助け合える関係を築けている。ほんとうにありがたいですし、感慨深いですね」

今後も年に2回のペースで開催を予定している「ミルイクアートまつり」。

子どもたちに、アートを通して「いつもと世界がちがって見える」体験をしてほしい。そんな思いから生まれた活動は、地域のみなさんの協力によりあらたな展開を迎え、一層おもしろくなってきています。

いくらまりえさんの作品は2024年の年末までJINS PARKに展示する予定です。群馬県前橋市にお出かけの際は、JINS PARKにぜひあそびにきてくださいね!

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CREDIT

執筆:森川紗名
写真:SHINYA KIGURE
デザイン:株式会社ASA
編集:春田知子(株式会社ツドイ)