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2025.04.23

ジンズのたねまき

「寝る育®」を大人世代にも! 三井住友海上 従業員約100名の睡眠環境改善に取り組みました

睡眠について学ぶ機会を提供する活動「寝る育®

先進国のなかで平均睡眠時間が最も短いと言われている日本(※)。睡眠をめぐる問題が、日本社会全体の課題となっています。JINSは、睡眠をめぐる社会課題の解決に向けた取り組み「寝る育®」を2024年にスタートし、一般社団法人日本睡眠協会と協力して、学生を対象に睡眠に関する学習機会を提供してきました。

2024年11月には、東日本電信電話株式会社 埼玉支店と、さいたま市のさとえ学園小学校が、株式会社NTT DXパートナーと共に実施する「睡眠×テクノロジー教育」の取り組みに、日本睡眠協会と共に参画。小学4年生の子どもたちに向けて、特別授業を提供しました。(くわしくは、こちら

さとえ学園小学校での特別授業の風景

そして2025年2月、授業提供を行った企業6社に向けて、児童たちが睡眠改善商品のアイデアをプレゼンする最終発表会が開催されました。

JINSに提案してくれたグループからはブルーライトカットメガネの「フレームに匂いをつける」「フレームの色がブルーライトで変わる」など、固定概念にとらわれない斬新なアイデアが飛び出しました。

児童たちが作成したプレゼンスライドの一部

商品提案を受けた6社は、児童たちに向けて商品の採用可否を発表。残念ながら、どのアイデアも採用には至りませんでしたが、子どもたちの探究力や創造力を育む貴重な機会となりました。

三井住友海上と共同で取り組みを実施

「寝る育®」は活動開始以来、子どもを対象として取り組んできましたが、今回あらたに働き盛りの大人世代へと活動を拡大。2025年1月から2月にかけて、MS&ADインシュアランス グループの三井住友海上火災保険株式会社(以下、三井住友海上)と共同で、従業員のみなさんを対象に睡眠環境の改善に向けた取り組みを実施しました。

そのきっかけとなったのは、JINSの睡眠に関するニュースを見た三井住友海上さんからのお声がけでした。

健康経営を掲げ、従業員の健康増進や健康リテラシー向上に取り組む三井住友海上さん。「従業員のWell-Being向上が、ひいてはお客さま満足度の向上につながる。心身の健康を保つため、従業員には睡眠を大切にしてもらいたい」との考えから「寝る育®」に取り組むことになりました。

三井住友海上さんの考えに賛同したJINSは、日本睡眠協会理事長の内村直尚(うちむら なおひさ)先生に監修いただきながら、取り組みの詳細を検討していきました。

約100名が就寝前にブルーライトカットメガネを装用

今回の取り組みでは、業務に高い集中力が求められるカスタマーコミュニケーション部の従業員(オペレーターや管理・事務スタッフなど)109名に、内村先生による「睡眠特別講座」を受講いただいたうえで、2週間のあいだ、帰宅後に就寝前までブルーライトカットメガネを装用いただきました。

取り組みの背景にあるのは、夜間でもブルーライトを浴びざるを得ない日本社会の現状です。

ブルーライトと睡眠の関係性については、これまで様々な研究が行われており、就寝前にブルーライトを浴びることが睡眠やサーカディアンリズム(体内時計)に悪影響を及ぼすことなどがわかっています。しかし、スマホ、パソコン、テレビ、ゲームなど、夜間も光があふれる現代の日本で、ブルーライトを完全に遮断することは簡単ではありません。

そこで、ブルーライトカットメガネを活用し、就寝前の光環境を整えることで、睡眠環境の改善を目指しました。
取り組み結果を検証するため、就寝前にブルーライトカットメガネを装用しない期間(1週目)と、装用した期間(2週目・3週目)に、就床時刻や睡眠時間などを毎日記録する「睡眠日誌」を導入。さらに、週1回のアンケートを実施し、睡眠による休養感、夜間の目覚める頻度、日中の眠気、集中力の変化などについて調査を行いました。

目をみはる検証結果。休養感や日中の集中力が改善!

すべてのアンケートに回答してくださった75名の回答から、次のような結果が得られました。

〇就床時刻が平均16分早くなり、睡眠時間が平均13分長くなった。

〇良い睡眠の指標とされる「休養感」が向上し、夜間に2回以上起きる人の割合が低下した。

〇昼間の眠気、イライラ、集中力の低下、落ち着かなさを感じる人が減った。

日本睡眠協会理事長 内村先生による評価

3月12日。これらの検証結果を、取り組みに参加いただいた三井住友海上の従業員のみなさんに共有する場として、報告会を実施しました。

リモート出演された日本睡眠協会理事長 内村先生は、取り組みの結果を次のように評価してくださいました。

「得られた結果から、就寝前のブルーライトカットメガネの装用は、睡眠時間と睡眠の質を改善し、休養感や日中の集中力を高める可能性が示唆されました。

また、日中の眠気、イライラ、落ち着かない状態が軽減した変化は、仕事の生産性やパフォーマンスの向上につながったと考えられます。睡眠時間や睡眠の質の改善は『働き方改革』に直結する重要な要素と言えるでしょう。

ブルーライトカットメガネの活用が、心身の健康や仕事のパフォーマンス向上に役立つことが明らかになった。この結果は、夜間にブルーライトを浴びる機会が多い日本の社会において、大きな意味を持つと思います」

「睡眠環境を整える大切さを実感」参加者の声

報告会に参加してくださった従業員のみなさんからは、「睡眠環境を整える大切さを認識するきっかけになった」との意見が多く聞かれました。

なかには、「就寝前のブルーライトカットメガネの装用がすっかり習慣化した」との声も。従業員のみなさんにとって、ブルーライトカットメガネが日常の一部となり、必要なアイテムとして定着しつつあることが感じられる報告会となりました。

真摯に向き合ってくださった三井住友海上の従業員のみなさんのおかげで、大きな成果を得られた今回の取り組み。こうした活動が、日本全体の睡眠課題の解決につながっていくことを心から願っています。

JINSは今後も「寝る育®」を通じて、子どもから大人まで幅広い世代の睡眠環境の改善をサポートしていく予定です。ご関心のある企業・団体の皆さまは、ぜひお気軽にお問い合わせください!

※……経済協力開発機構(OECD)による調査(OECD, Gender data portal 2021: Time use across the world)では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分。調査対象の先進国33か国の中で最も短いことが判明。

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CREDIT

執筆:森川紗名A
デザイン:株式会社ASA
編集:春田知子(株式会社ツドイ)