2024.09.06
ジンズのたねまき
JINSの「寝る育」がスタート!
日本睡眠協会と協力し、品川女子学院のみなさんに睡眠について学ぶ機会を提供しました。
近年、「睡眠負債」が流行語大賞にノミネートされたり、快眠をサポートする商品がヒットしたりと、睡眠の大切さに人びとの関心が集まっています。
その背景にあるのは日本人が抱える深刻な睡眠不足です。経済協力開発機構(OECD)の調査(*1)によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分。調査対象国である先進国33か国のなかでもっとも短い結果になっています。
短い睡眠時間は大人だけの問題ではありません。日本の中学生の睡眠時間は欧米に比較して非常に短いとの調査報告(*2)があるなど、子どもの睡眠不足も見逃せない課題のひとつなのです。
日本の社会問題ともいえる「睡眠をめぐる課題」の解決に貢献したいと考えたJINSは、光と睡眠の関係性に注目。かねてより、睡眠研究の世界的な権威 (*3)に寄り添い、睡眠とブルーライトに関する研究の支援に取り組んできました。
続いてJINSは、睡眠について学ぶ機会をつくることも必要と考え、子どもたちの睡眠を変えていく活動「寝る育」を開始。科学的根拠に基づいた情報発信と政策提言で日本人の睡眠改善に取り組む「日本睡眠協会」と協力し、睡眠に関する学習プログラムを企画しました。
そして2024年7月19日(金)、品川女子学院中等部および高等部にて特別講座を開催。会場に集まったのは、受講を希望する36名の生徒のみなさんです。
冒頭にアイスブレイクを兼ねて、生活習慣を振り返るワークショップを実施しました。個々の1日の過ごし方やデジタルデバイスの使用時間をワイワイと共有し合います。
日頃からiPad を学習や連絡で使用している生徒のみなさん。一日の中でかなり多くの時間をデジタルデバイスに費やしているようです。
次いで行われたのは、日本睡眠協会理事長 内村直尚先生による講義です。「睡眠の学習や心身に及ぼす影響~よりよい睡眠が脳とこころとからだを育てる~」をテーマに、朗らかかつ情熱的にお話してくださいました。
睡眠のもつ役割や、体内リズムと光の関係。青色を多く含む光は体内時計に強く作用するため朝昼は浴びたほうがいいが、夜は避けたほうがいいこと。体内リズムを整えるため「ラジオ体操」がおすすめ、など生徒の皆さんに多くの気づきを与えてくださいました。
日本睡眠協会理事長 内村直尚先生
JINSからは、オリジナルWebコンテンツ「睡眠負債度診断」を提供。日頃の睡眠不足レベルや、おすすめのナイトルーティンをチェックしてもらいました。
また、一般的なレンズとブルーライトをカットするレンズを比較しながら、ブルーライトをカットしている様子を見てもらいました。
興味津々な様子でブルーライトをカットし睡眠の環境を整えるメガネ「JINS SCREEN FOR SLEEP」を試 着する生徒のみなさん
プログラムの終盤、学びを深めた生徒から次のような声が。
「自分の睡眠時間が世界のデータと比べると全然少ないことがわかった」
「平日と休日の睡眠時間の差を1時間以内にしたい」
「ブルーライトを夜浴びないほうがいいことは知っていたが、朝は光を浴びた方がいいのを初めて知ってびっくりした」
これらの気づきをヒントに、生徒たちは今後取り入れたい自分なりの「睡眠のための新習慣」を設定。夏休み期間に新習慣に取り組んで、睡眠の変化を検証しました。
9月2日(月)には研究成果発表会を開催。生徒一人ひとりが、主体的に考え、実践し、学んだ内容を発表していきました。良質な睡眠をとる重要性を身をもって理解した彼女たちの姿に、運営スタッフは確かな手ごたえを感じたと言います。
今後もJINSは「睡眠をめぐる課題」の解決を目指して、日本睡眠協会などさまざまなステークホルダーとともに「寝る育」に取り組んでいく予定です。ご興味のある教育機関や自治体がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけください!
*1……OECD, Gender data portal 2021: Time use across the world
*2……大川匡子 / 学術の動向(2010); Olds et al. / Sleep med Rev.(2010)
*3……西野精治博士 (米国スタンフォード大学医学部精神科教授、スタンフォード睡眠・生体リズム研究所所長、医学博士)、千葉伸太郎博士( 医学博士、太田総合病院記念研究所・太田睡眠科学センター所長)、前田直矢医師(スタンフォード大学医学部精神科研究員)の3名
CREDIT
執筆:森川紗名
デザイン:株式会社ASA
編集:春田知子(株式会社ツドイ)