JINS JINS PARK

CEOメッセージ

満足しない限り、
景色は変えられる。

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、私たちの事業にも大きな影響を与えました。しかし、私たちはむしろこれを好機と捉え、JINSのビジネスモデルや企業体質に変化の波を起こしたい。そう、考えています。

まず、有事の際にも滞りなくサービスを提供するための「BCP(事業継続計画)」の策定とそれに対応するバリューチェーンを再構築し、体制を整えること。次に、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」をさらに推し進め、より快適なお買い物体験を生み出すこと。そして、異業種からの参入も含めての他を圧倒するような、新しいビジネスモデルを早急に確立すること。最後に、サスティナビリティビジョンを指針に、事業活動を通して社会の課題解決を進めていくこと。これらをすべて叶えていくためには、ここで働く一人ひとりの自立した意志が重要となりますし、大きな意識変革が求められます。

JINSが福岡天神に1号店を出してから、20年以上が経ちますが、私たちはますます新鮮で、驚きを有した存在でありたいと考えています。変化を恐れず、縮こまらず、決して挑戦をやめないこと。個々が能動的になり、縦横無尽につながり合う組織へと脱皮すること。「Magnify Life(マグニファイ・ライフ)」というビジョンが、この世界にもっと広がっていくために。これからのJINSに、ますますご期待ください。

代表取締役CEO 田中 仁

今、僕が思うこと

遠きをはかる、王道を歩む

2025年07月29日

「志なき経営は、絶対にうまくいかない。」
「商売は、王道を歩まなければならない。」
これは、かつてある大先輩の経営者からいただいた、忘れがたい言葉です。
当時の私は、若者向けのファッションメガネという、いわば市場の隙間を突いたビジネスで、それなりの成功を収めていました。

しかしこの言葉に出会い、「自分の経営には志がない。だから王道が見えないのだ」と、強烈な衝撃を受けたのです。
そこから私は決意しました。
小手先の商売はやめよう。本物の志を立て、王道を歩もう、と。
そして掲げたのが、「メガネをかける、すべての人に。」という初期のビジョンです。
大きな転換でした。
それは、まさに真剣勝負の始まりでもありました。
当時は株価も下がり、社内外の視線は厳しさを増していました。
負ければ会社を去る覚悟で臨んだ、本物の勝負でした。
四六時中、お客様のこと、経営のことばかりを考え続けました。
どんなサービスがお客様に喜ばれるのか。
どの数字が何パーセント動けばどうなるのか。
何度も何度も、シミュレーションを重ねました。
生きるか、死ぬか。負ければ終わり。
そんな勝負だからこそ、妥協は一切許されません。
竹刀での稽古ではなく、切られたら終わりの、本物の勝負です。
気合だけでなく、数字もロジックも極限まで突き詰めました。
この勝負を通して、私は商売の本質を学びました。
そして、「中途半端ほどリスクの高いものはない」という、大きな教訓を得たのです。

目標を高く掲げれば、ファッションメガネという狭い枠には収まりません。
視野を広げ、遠くを見据えることで、進むべき王道が見えてくる。
逆に言えば、遠くを見なければ、王道も見えないのです。
そうして私は、自分の原点を見つめ直しました。
自分たちは何者なのか。
何のために存在するのか。
それを問い続けてきました。

いま、私は前橋のまちづくりにも、本気で取り組んでいます。
そして、まちづくりこそ、企業家が取り組むべき課題だと考えています。
なぜなら、企業は地域のお客様との商売によって利益を得て成り立っています。
その一部のエネルギーを地域に還元することには、明確な意味と価値があると信じているからです。
かつて人通りがまばらだったこの街に、いま、アートが集まり、人材が集まり、新たなチャレンジャーたちが次々と商売を始めています。
流れは、確実に変わり始めています。
教育も、都市計画も含めて、前橋はこれからの地方都市のモデルとなる可能性を秘めています。

まちづくりに関わるようになって、私の経営観はさらに変わりました。
なぜなら、まちづくりは目先の成果ではなく、100年先を見据えた取り組みだからです。
あの最初の真剣勝負から、世の中もジンズも、大きく変わりました。
決して順風満帆だったわけではありません。
未熟なまま、大企業病のような症状を抱え、痛みを伴う改革を迫られた時期もありました。これからもあるでしょう。
しかし、それらを乗り越え、私たちは世界を見据え、未来を見据え、挑戦し続けなければなりません。
世の中も、商売のスピードも、ますます加速しています。
日々、目先のことにとらわれ、短期的な打ち手に忙殺されかねない中で、私はいま一度、心に刻んでいます。
「遠きをはかる。ジンズにしか歩めない、王道を進む」
これを、私たちの根幹に据え続けていきます。

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