執行役員 デジタル本部長メッセージ
意思決定が速い組織で、ITデジタルでの事業変革に取り組みたかった
2020年1月に、コンサルティング会社から転職し、2020年9月よりジンズのデジタル部門を統括しています。
ITアーキテクト経験を生かしつつ、学生時代より興味のあったヘルスケア領域で事業会社を探していました。田中CEOとの面談を通じて、新しいことにチャレンジする気風があること、経営層と直接コミュニケーションが取れ、意思決定がスピーディーであること、従業員を大切にしていることを感じました。高い志を持ち、アイウエアの販売ビジネスに止まらない、見ることを中心にヘルスケアも含む革新的な取り組みを推進できると思い、ジンズへの入社を決めました。
入社後に感じた「ジンズの課題」
まずはジンズ流のITの仕事の進め方やITシステムを理解するべく、実際のプロジェクトでプロジェクトリーダーを務めました。その経験を通じて分かったのは、古い仕組みのまま使っている部分と、アグレッシブに先進技術に取り組んでいる部分が共存する、アンバランスなシステム構成だということ。また、ITデジタル部門のメンバーは知識・スキルともありながら、マンパワー不足のため外部の開発パートナーに頼りながら、少数精鋭で高度な取り組みを行っているという状況も分かりました。全社のデジタル戦略も明確に言語化はされておらず、各人がそれぞれに社長のメッセージを解釈して目の前の課題に取り組んでいたのです。
ジンズのデジタル戦略 キーコンセプトは、「デジタルは手段、動かすのは私だ」
入社して4ヶ月後のタイミングで、デジタル戦略策定のプロジェクトを立ち上げました。今までもIT中期計画は策定されていましたが、経営戦略との整合性や、以前はOMO推進部門が別組織だったこともあり、全社のIT・デジタル領域をカバーしきれていませんでした。
改めて経営戦略とデジタル戦略を言語化し、DXに取り組む目的を明確にし、DX推進をミッションとする部門の立ち上げを、取締役・執行役員で話し合い、全社で全力で取り組むことを決めました。
デジタル戦略の中心に据えたのは、「お客様に最高の体験を届ける」こと。それを実現するための戦略として以下の5つのアプローチを定義しました。
- 1)「お客さまのために、社会のために、何ができるか?」を着想の起点にする
- 2)アイデアに驚きとワクワクを求め、複雑にせずシンプルに考える
- 3)未来を切り拓くデジタルネイティブとして、あたりまえにデータや技術をビジネスに活用する
- 4)時間と空間に依存しないアーキテクチャを指向し、世界のみんなにJINSの想いを届ける
- 5)お客さまと従業員が安心・安全のもと、JINSの製品・サービスを楽しめるようにする
ITデジタルの6大テーマ
現在、目的の認識合わせと具体的なテーマに落とし込みを進めています。個人のがんばりのギアががっちりと噛み合い、全体の推進力に変えていけると手応えを感じています。
取り組むテーマは大きく6つあります。
- 1)新しい顧客体験をデジタルテクノロジーで実現します。
例えば、JINS MEMEの新バージョンで新しい価値の創造に取り組んでいきます。 - 2)サステナビリティに全社で取り組みます。
再生エネルギー活用、グリーン調達などクラウドサービス選定、店舗のシステムや機器を見直し、CO2排出量削減に貢献します。 - 3)「オープンイノベーションの促進」で、グローバルのテクノロジー先進企業とのアライアンスを強化します。
フランスのデジタルアイテックカンパニーFITTINGBOX社と資本業務提携を発表しており、彼らのバーチャル試着ソリューション、フレームの3Dデータ化などの技術により、アイウエア購入体験のDXを進めます。このような戦略的パートナーシップは今後も積極的に手掛けていきます。 - 4)「デジタルリテラシーの向上」。
ITデジタル部門だけでなく、店舗スタッフの1人1人に至るまで、全員がデータおよびデジタル技術をあたりまえに使いこなせる体制を目指します。 - 5)「クラウドネイティブなアーキテクチャへの刷新」です。
ジンズはパブリッククラウドやSaaSの導入・活用はすでに実施済みですが、次のステップとしてデータやアプリケーションのレイヤーをグローバルレベルで拡張性、高速サービス展開が実現可能なアーキテクチャへ刷新していきます。 - 6)「サイバーセキュリティ」に注力します。
どんな良いサービスを作ってもコンプライアンスやセキュリティ面でトラブルを発生させては意味がありません。安心安全にお客様にサービスを使っていただけるよう、仕組みや体制を固めていきます。
これらが直近の重点施策です。
エンジニア採用も強化しており、これらの施策を外部パートナーと連携して着実に進めていきます。
エンジニアとして、社会に大きなインパクトを届けたい
私自身、かつてはジンズをアパレルブランドのように誤解していましたが、アイウエアを通じた新たな価値の提案を続けている会社です。たとえばJINS MEMEは各種センサーからのデータ活用でさまざまな用途開発が進められていますし、FITTINGBOX社と資本業務提携では、オンライン上での3D試着に留まらないサービス開発も見据えており、アイウエアの購入体験を一気に飛躍させることを目指しています。エンジニアとして、社会へのインパクトの大きいこうした取り組みを進められることは非常にやりがいを感じています。
経営層からITデジタル部門への期待はたいへん大きく、まさに経営戦略=デジタル戦略といえるほど、コミットしています。お客様に最高の顧客体験を届け、世界を変えたいと思う仲間たちと、「あたらしいあたりまえ」の実現にチャレンジしていきます。
執行役員 デジタル本部長 松田真一郎