今、僕が思う事
ビジョンとは、数値目標ではなく「価値目標」
JINSは、ビジョナリーな会社だと言っていただけることが多くあります。
これは大変うれしいことです。
一方で、私はこのビジョンというものを、本当に正しく認識しなければならないとつくづく思っています。
これは、ややもするとビジョンが単なる数値目標になっていってしまうことがあるからです。
何年後に、売上や利益が何億円に、何店舗出店、そういった目標は確かに重要です。
ビジネスにとって計画は重要で、数値が伴っていなければ、目指すゴールにたどり着くことが難しいことは確かです。
しかし、本当に大切なのは、「自分たちがどういう価値を世の中に提供するか」という価値目標だと考えています。
これは簡単なようで、非常に難しいことです。
"Magnify Life"は人々の人生を拡大し、豊かにすることを意味します。
これは数値目標ではなく、価値目標です。
例えば店舗を出すとします。
小売の原則は、店を安く、早く作って商売をスタートし、一日でも早く投資を回収することです。
しかし、私たちは最近それを無条件に良しとはしていません。
以前より店舗設計にエネルギーをかけるようにしています。
「私たちは、Magnify Lifeという価値を提供する会社。安っぽい金太郎飴は止めよう」ということです。
一例が、8月20日にオープンした、「JINS京都寺町通店」です。
これは、JINS初のコンセプトショップです。
まずは写真を見てください。
店舗内には「母屋」と「離れ」という二つの空間が存在します。
日本の寺院にある「借景」という技法を取り入れ、壁や鏡越しに見える背景との一体感も重視。
眼鏡は、コンセプトショップオリジナルの専用什器にディスプレイします。JAPANを体現する丸いくぼみと佇まいが特徴です。
私たちはこのコンセプトショップを、平安京の時代から続く歴史を持つ、京都の寺町通りに構えました。寺町通りは「古くて新しい」魅力がある通りだと言われています。今回私たちが体現したかった「変わるものと変わらないもの」というコンセプトを伝えるのに、最も適した場所だと考えたからです。
人々の人生を拡大し、豊かにするというのは、人々のライフスタイルに影響を与えるということです。それは、低コスト至上主義で作られた店では実現できません。もちろん私たちは合理を大切にし、数値を重んじますが、何より重要なのは、私たちJINSがあることによって、"Magnify Life"が実現できるかということなのです。
その一つのチャレンジが、このコンセプトショップです。
店舗は価値表現の重要な場。だからこそチャレンジをし続けなければいけません。
そして、価値提供にとって最も大切なのは、お客様に使っていただく商品です。
昨年、JINS DESIGN LAB.を立ち上げて、「アイウエアを構成する要素を、概念的に、技術的に追求し、新しいアイウエアを生み出し続けるためのプロジェクト」を発足しました。
また、JINSのものづくりに対する妥協のないスタンスを、厳しい基準で見せることによって、自分たちを律しています。
『妥協0、のメガネづくり』
すべては、「価値を提供できているか」「Magnify Life」につながっているかが基準です。
最近ますます、中長期に責任を持つことが、すべての近道ではないかと思えてきました。
これを私たち自身で問い続けることで、前に進んでいきたいと思います。
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