今、僕が思う事
理想をアップデートする
理想を持つことは、ものづくりや組織づくりにおいて非常に重要です。
ただし、「その理想が時を経ても変わらない」とは限りません。むしろ、理想に固執しすぎないことは、最初に理想を掲げることと同じくらい大切だと私たちは考えています。
たとえば、現在のJINSの店舗は、かつてと比べて格段に進化しています。商品力もしかりです。もちろん、まだ改善の余地はありますが、私たちは一歩ずつ着実に前進してきました。これは、過去に掲げた理想に向かって積み重ねてきた歩みの成果です。
とりわけ、「顧客体験がすべての出発点であり中心である」と再定義してからは、店舗、商品、接客、システムを一体として最適化する取り組みに、いっそう注力してきました。
このような積み重ねが実現できたのは、「理想」があったからこそです。
しかし、これからの未来を考えるとき、その理想が今の時代においても本当に正しいのか、自ら問い直す姿勢が必要ではないかと感じています。
時代は常に変化します。お客様の価値観も、働く人々の意識も、数年前とは大きく異なっています。そうした中で、過去に描いた理想をそのまま追い続けるだけでは、時代とずれてしまう可能性があります。だからこそ、「理想そのものをアップデートする」という視点が重要になります。
より高みを目指すには、自分たちの現在地を見つめ直し、必要であれば、目指す山そのものを変えていく勇気が求められます。
たとえば、赤城山に登るのと、富士山、あるいはエベレストに登るのとでは、準備も装備も、一緒に登る仲間もまったく異なります。ときには、極端とも言える理想を掲げることで、その理想に共鳴してくれる新たな仲間が現れるのです。
実際、私たちは今、ある新しいアイディアを検討しています。それは、これまでの延長線上にはない、かなり尖った内容です。ですが、その極端な理想に基づくアイディアがあるからこそ、これまで接点のなかった方々と、実際に会話が生まれています。
理想を明確にし、たとえ極端でも掲げること。その姿勢が新しい風を呼び込み、組織も商品も、人とのつながりさえも進化させてくれる。そのことを、私たちはいま改めて実感しています。
理想は、一度決めたら終わりではありません。
「その理想は錆びついていないか?」
常に自らに問いかけ、必要に応じて大胆に塗り替えていく。そうした姿勢で、私たちはこれからも未来に向かって歩み続けていきたいと考えています。
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